「ChatGPT活用プロジェクトみたいなのを立ち上げて、どんどん活用していきましょう!」(原文ママ)
社長からメッセージが飛んできたのは、春先のことだった。
そのとき僕は、登録したばかりのChatGPTをあれこれ試しながら、
手もとの仕事がラクにできないか、
あわよくば、代わってもらえないかなと、呑気に考えていたところだった。
「プロジェクト」ということは、自分だけではなく、
会社全体で展開できる活用方法を見出さなくてはいけない。
そうはいっても、何にどう活用していくのがよいのか。
悩んだ僕は、まずは社内チャットでプロジェクト用のチャンネルを立ち上げ、
技術的なキャッチアップの得意なメンバーに相談することにした。
メンバーから挙がってきたアイデアは、どれも新しい未来を想像させる魅力的なものばかりだった。
<活用アイデアの一例がこちら>
チャットボットによるカスタマーサポート
プログラムの自動作成
脆弱性レポートの分析
ペネトレーションテストのシナリオ提案
しかし、ここである制約が浮かびあがった。
ChatGPTはクラウドサービスであり、入力した情報は一時的ではあるが保存されてしまう。
一般的なセキュリティ対策が施されていたとしても、リスクゼロのサービスは世の中に存在しない。
ちょうどその頃は、
ChatGPTに「自分以外のユーザーのチャット履歴が表示される」バグがあると報告されたタイミングだった。
もしChatGPTを業務に活用して、顧客の機密情報が漏えいすることは、
万が一にでもあってはならず、セキュリティを守る会社では特段に気を払う問題だった。
情報の堅牢性を保つ制約をクリアしながら業務に活用できる方法はなにか。検討はさらに続いた。
次の話 03 嘘をつくAI
ChatGPT等の生成AIを活用した
システム固有のセキュリティリスクを可視化します
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