こちらの記事は、セキュリティ専門家の松野によるニュース解説ラジオ「今日の10分セキュリティラジオ」の放送内容を文字起こししご紹介しています。
特定非営利活動法人日本ネットワークセキュリティ協会(JNSA)は6月30日、セキュリティ市場調査ワーキンググループによる「2020年度 国内情報セキュリティ市場調査報告書」を発表した。(記事はこちら)
国内の情報セキュリティ市場について、引き続き堅調な伸びを示すと予測されています。市場の伸びから考えられる今後必要されるセキュリティ対策について説明します。
同調査では、セキュリティ市場をツールとサービスに分けており、ツール市場は2019年度の6,592億円から2021年度は6,956億円に、サービス市場は4,609億円から5,171億円になると予測されています。両者を比較すると、サービス市場の伸び率が高いこととがわかります。
各分野の内訳として、ツール市場で最も伸び率が高いのはエンドポイント保護管理製品で、2019年度の1,684億円から2021年度は1,919億円になると予測されています。また、サービス市場で最も伸び率が高いのはマネージド・運用サービスで、2019年度の2,000億円から2021年度は2319億円になると予測されています。
セキュリティ市場の伸び率を見ていくことは、今後どのような分野のセキュリティ対策が必要とされるかの目安となり、ひいては今後どのようなセキュリティの脅威が考えられているかの参考となりますので、セキュリティベンダーだけではなく、セキュリティ対策に携わるすべての組織が注目しています。
マネージド・運用サービスが大きな伸び率を示すと予測されていることについて、情報セキュリティの人材不足が引き続き懸念されていることが考えられます。情報セキュリティ人材の現状と、各組織が取り組むことができる対策ついて説明します。
情報セキュリティの人材不足が言われて久しい状況です。よく引用される情報として、古いデータではありますが、2018年12月に総務省が行った「我が国のサイバーセキュリティ人材の状況について」の調査結果によると、情報セキュリティ人材の不足数推計として2020年には19万人以上が不足すると言われていました。現在の具体的な不足数を計測することは困難ですが、総じて人材が足りていないことは間違いないようです。
情報セキュリティの人材不足を前提として各組織が取り組むことができる対策として、セキュリティ対策における属人性の排除が必要です。組織にとって人材育成が人材不足の対策となるためには、その人材が成長することと、組織に所属し続けることが前提となります。いずれの前提も極めて不確定である以上、まずは属人性を排除する方法について検討すべきです。これは、すべての組織にとって共通の選択肢です。
属人性を排除しつつ品質を高いレベルで安定化させるためには、情報セキュリティの標準化や仕組化が必要です。標準化と仕組化についての説明はとても長い時間がかかりますので、我々の事例が書かれた記事のURLを概要欄に貼っておきます。創業以来、セキュリティ業界に先駆けて情報セキュリティの標準化や仕組化に取り組んできましたので、皆さんも人材不足でお悩みであれば、ご参考にしていただければ幸いです。
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