こちらの記事は、セキュリティ専門家の松野によるニュース解説ラジオ「今日の10分セキュリティラジオ」の放送内容を文字に起こしご紹介しています。
IoT(モノのインターネット)が普及しているが、自動車もまた例外ではない。車外の他のシステムと双方向の通信が可能なクルマは「コネクテッドカー」と呼ばれ、事故発生時の救急通報機能を搭載したクルマを1996年にGMが開発するなど、その歴史は古い。(記事はこちら)
【お届けするニュースはサイバーセキュリティ専門ニュースサイト「ScanNetSecurity」の提供でお送りしています。】インターネットにつながる自動車であるコネクテッドカーのセキュリティ対策について発表されています。今後増えるであろうコネクテッドカーでどのようなセキュリティ対策が考えられているかについて説明します。
社外のシステムと双方向の通信を可能とするコネクテッドカーはIoTの一種として分類されます。IoTとは、Internet of Thingsの略で、さまざまなデバイスがインターネットにつながり相互に制御することができる仕組みです。あらゆる物がIPアドレスを持つことで情報交換が可能になる一方で、IoTデバイスに対するネットワーク経由のサイバー攻撃が発生しています。
今回のコネクテッドカー向けセキュリティ対策は、複数のベンダーが車両内部のセキュリティ対策や、自動車とその周辺システムへのサイバー攻撃を検知・分析・管理するシステムなどを共同開発したと発表されています。また、自動車に関する様々なデータはクラウド上に保存されており、適切に保護されているということです。
コネクテッドカーのセキュリティ対策は、SOCがシステムで取得したログをネットワーク経由で監視し、分析しているようです。具体的な内容について説明します。
SOCとは、Security Operation Centerの略で、サイバー攻撃を監視して分析する組織です。監視しているシステムからのログを分析し、結果の緊急度に応じて対応することで、セキュリティインシデントをいち早く検知して的確に対応することが可能です。
車両内には車載IDSや自動車向けのセキュリティ対策が組み込まれており、自動車内で発生したサイバー攻撃を検知しています。車両内の様々なログはクラウドに転送され、その情報は、不正プログラム対策やWebレピュテーション、IPS/IDS、アプリケーションコントロール、ファイアウォール、変更監視、セキュリティログ監視など、様々なセキュリティ対策で保護されています。クラウドに保存された車両やセキュリティのログをSOCが24時間365日監視し、自動車向けの脅威情報と相関分析することによって、検知、分析、管理がなされているということです。
ここまで見てみると、車両内の情報を収集する仕組みは自動車向けのセキュリティ対策が使われていますが、収集された情報を蓄積するためのクラウドを保護したり監視したりする仕組みについては、一般的なセキュリティ対策が応用されていることがわかります。
IoTにおける責任分界点は、脆弱性の修正プログラムは開発元で作成し、アップデート自体は利用者が実施することで分けられています。コネクテッドカーでも同様と考えられます。
コネクテッドカーがここまでセキュリティ対策に重点を置いている理由がお分かりいただけたのではないでしょうか。皆さんにとってのセキュリティ対策も、守るべき対象の価値に合わせて適切に実施していただければ幸いです。
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