こちらの記事は、セキュリティ専門家の松野によるニュース解説ラジオ「今日の10分セキュリティラジオ」の放送内容を文字に起こしご紹介しています。
株式会社ノートンライフロックは12月9日、「ノートン」ブランドのセキュリティ製品で検知したサイバー攻撃のデータを元に、2021年のサイバー犯罪トレンドの振り返りと2022年のサイバー犯罪トレンド予測を発表した。(記事は こちら)
【お届けするニュースはサイバーセキュリティ専門ニュースサイト「ScanNetSecurity」の提供でお送りしています。】セキュリティベンダーからサイバー犯罪について、2021年の振り返りと2022年のトレンド予測が発表されています。この1年のサイバー犯罪を振り返ることと、来年のトレンドを予測することで、今後必要とされるセキュリティ対策の参考になりますので、内容について見ていきましょう。
今回の報告書によると、世界全体のフィッシング詐欺は昨年同月比278%を記録し増加傾向にあるということです。日本においても、主要国別ではアメリカに継ぎ2番目に多い結果となりました。さらに、2021年はWeb上のポップアップ通知等で偽のエラーメッセージを出し、通知にある番号に電話を促し、電話をすると詐欺師が遠隔サポートを申し出、修理とセキュリティ使用料として費用を請求する「テクニカルサポート詐欺」が、特に日本で増加しているということです。日本は主要国別で1番多く、2番目に多いアメリカとは約2倍の差があったということです。
また、2022年以降のサイバー犯罪トレンド予測3選として、「仮想通貨を狙うサイバー犯罪」「人工知能や機械学習を活用したサイバー犯罪」「コロナのもたらしたデジタルシフトに便乗するサイバー犯罪」が挙げられています。
テクニカルサポート詐欺とは、パソコンに偽のセキュリティ警告を表示させ、信じた被害者にサポート代金を支払わせる詐欺です。 有名メーカーのロゴを用いて信用させ、セキュリティ対策のサポート料などの名目で金銭を支払わせる被害が日本国内でも増加しています。
過去には偽のセキュリティソフトをインストールさせ、そのソフトに表示された電話番号へ掛けさせるような誘導がなされていましたが、最近はWebなどで偽のセキュリティ警告画面に連絡先を表示して、直接電話をかけさせてる手口がほとんどということです。
具体的には、Webサイトを見ている際に、警告音とともにマイクロソフトのロゴが表示され「このPCへのアクセスはブロックされました」や「この重要な警告を無視しないでください」など、偽の警告が表示されます。そして、電話をかけてきたユーザに対して、パソコンの修復やセキュリティ対策が必要などと告げ、ユーザにサポート料の支払いやパソコンの遠隔操作を求めてきます。
まず、マイクロソフトのエラーや警告メッセージに電話番号が記載されることはないそうです。また、ビットコインやギフトカードでサポート料金を請求することもありません。もし、警告画面が表示されても、画面の指示には安易に従わず、警告画面が消せない場合は、ブラウザを強制終了するかパソコンを再起動してください。
このような攻撃者が逮捕されたといったニュースを耳にすることは少ないかと思いますが、もちろん逮捕者も数多くいます。実際に逮捕された有名な攻撃者の一人にケビン・ミトニックがいます。FBIが指名手配のポスターで顔写真を公開した最初の攻撃者と言われていますが、現在はホワイトハッカーとして社会に貢献しているようです。
ケビン・ミトニックは、高校生からコンピュータを使い始め、その際にネットワーク上でハッカーの友達ができたそうです。やがて、フリーキングと呼ばれる電話回線をハッキングして無料で通話する傍ら、コンピュータのハッキングを行うようになったということです。
ちょっとドラマや映画のような話ですが、実際にあった攻撃者の話を取り上げました。
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