こちらの記事は、セキュリティ専門家の松野によるニュース解説ラジオ「今日の10分セキュリティラジオ」の放送内容を文字に起こしご紹介しています。
株式会社野村総合研究所は12月17日、2027年度までのICT(情報通信技術)とメディアに関連するデバイス、ネットワーク、コンテンツ配信、xTech(B2C)、xTech(B2B)の主要5市場を取り上げ、国内市場における動向分析と市場規模の予測結果を発表した。(記事はこちら)
【お届けするニュースはサイバーセキュリティ専門ニュースサイト「ScanNetSecurity」の提供でお送りしています。】IT関連の主要5市場について、2027年度にセキュリティ市場は1兆2770億円に成長すると予測されています。今後の市場動向から、将来に求められるセキュリティ対策について説明します。
今回の調査によると、法人向けセキュリティ市場では、DXへの取り組みに加え、新型コロナウイルス感染拡大に伴うテレワークやWeb会議、クラウドサービスの利用増がセキュリティ対策の充実と強化を後押しし、2027年には約1兆2,770億円に成長すると予測されています。
その他にも、デバイス市場では5G端末の普及について、2024年度には国内の5G端末は約2,740万台まで拡大すると予測されており、コンテンツ配信については、個人情報の問題が表面化し、Cookieレス時代に向けてマス広告やオウンドメディアも合わせた横断的なマネジメントが必要になると予測されています。
今後、必要とされるセキュリティ対策は、エンドポイントやクラウドに関連するものが挙げられます。理由は、約2年前に発生したパンデミックから働き方が大きく変わったからです。
具体的には、在宅勤務やリモートワークの環境がサイバー攻撃の標的になる可能性があります。持ち出されたパソコンへのセキュリティ対策の一つにEDRがあります。EDRとは、Endpoint Detection and Responseの略で「エンドポイントでの検知と対応」と訳されます。在宅勤務やリモートワークで持ち出されたパソコンは、オフィスのセキュリティ対策が及ばないネットワークに接続されるため、エンドポイントでのセキュリティ対策が必要です。
また、あらゆる場所から情報へアクセスするためにクラウドの利用は必要不可欠になりつつあります。クラウドのセキュリティ対策の一つにCSPMがあります。CSPMとは、Cloud Security Posture Managementの略で、主にクラウドサービスの設定ミスを管理する仕組みです。様々な場所からアクセスされることが前提となるクラウド環境に対して、十分なセキュリティが担保されているか、常に監視することが求められます。
このように、変化する社会環境に適用するために必要なセキュリティ対策が、2022年も引き続き求められるのではないかと考えています。
今後、伸びる余地というより、伸ばさなければいけないセキュリティ市場として、サステナブルなセキュリティ対策が挙げられます。理由は、社会的課題であるサプライチェーンリスクを少しでも解消することが最優先課題であるからです。
セキュリティの格差によって生じるサプライチェーンリスクが、様々なセキュリティインシデントを生んだ1年であったことが思い起こされます。サプライチェーンリスクとは、委託先からの情報流出や、ソフトウェアの脆弱性によるインシデントなど、サプライチェーン全体に潜在するリスクです。サプライチェーンリスクが発生する要因として、人・技術・お金にかかわるセキュリティの格差が挙げられます。
今日の10分セキュリティラジオにて毎週月・水・金にセキュリティの最新ニュースを取り上げ解説を行っています。隙間の時間の情報収集にぜひお役立てください!
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