クラウドコンピューティングとは
クラウドコンピューティングは、インターネットを経由してクラウド上に集約されたコンピューターリソースを利用する形態を言い、2006年にGoogleのCEOであったエリック・シュミットにより提唱されました。リソースには、サーバー、ストレージ、ネットワーク、データベース、ソフトウェアなど様々なサービスが含まれます。
クラウド サービスの導入形態
クラウド サービスを導入する際の形態は大きく分けて3つあります。
1)パブリック クラウド
インターネットを介して誰でも利用できる、クラウドサービスであり、自身でハードウェアを用意する必要なく、サーバー、回線などのインフラやアプリケーション等サービス事業者から提供された環境を使用できます。その為、初期費用を抑えることができ、導入へのハードルが低い半面、不特定多数の人間が利用する性質上、セキュリティ面で注意が必要です。
2)プライベートクラウド
特定のユーザーが専有して利用できるクラウドコンピューティングサービスです。インターネット上に仮想的な専用環境を構築するホステッド型と、自社でハードウェアを購入してクラウド環境を構築するオンプレミス型が存在します。どちらもパブリッククラウドに比べ、高いセキュリティ環境を構築でき、カスタマイズの自由度も大きい半面、導入にかかる時間や費用はパブリッククラウドより大きくなります。
3)ハイブリッドクラウド
パブリッククラウドとプライベートクラウドを組み合わせた形態です。組み合わせた事により双方のメリットを両立する事が出来ます。例えば、セキュリティが求められない通常業務においてはパブリッククラウドを利用し、高いセキュリティが必要な業務においてはプライベートクラウドを利用するなど、用途に応じた使い分けをする事で、クラウドサービスにかかる費用を抑える事が可能です。
クラウドコンピューティングのメリット・デメリット
クラウドコンピューティング(特にパブリッククラウド)を導入するメリット・デメリットについて以下のポイントが挙げられます。
メリット
- コスト管理がしやすい
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自身でハードウェア、ソフトウェアを購入し、システムを構築する費用を抑える事ができるので、リソースの利用料金等のランニングコストのみで利用する事ができる事もメリットです。利用料金は利用した分だけ支払う従量課金制で、利用状況に応じてコストの増減を制御する事ができるので、無駄な出費を抑えた運用が可能です。
- システム管理が不要・拡張性も高い
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ハードウェア、OS、ミドルウェアなどはクラウドサービス事業者が用意し、メンテナンスやアップグレードも実施してくれるので、ユーザーが管理を行う必要はありません。またサーバ容量を増やしたいときに、すぐに増強できる拡張性の高さもメリットとなります。
- 場所やデバイスを選ばず利用が可能
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アプリケーション、データがクラウド上で一元管理されている為、オフィスのPCに限らずインターネットを介してあらゆる場所からアクセス出来ます。また、パソコン、スマートフォン、タブレット等複数のデバイスでアクセスが可能です。
- 災害時の備え
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自社と異なる場所にサーバーやデータが存在する為、自社が災害にあった場合でもデータは安全です。またクラウドサービスでは多くの場合高い管理体制により、バックアップ体制が充実していますので、サービス提供側が被害にあった場合でも早期復旧が可能です。
デメリット
- インターネットに接続していないと利用できない。
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ネットワーク障害や、電波状況が悪かったり、インターネットに接続できなくなるとサービスが利用できず業務に支障が出る可能性があります。
- サービス停止・終了のリスク
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システム管理が不要である反面、クラウド提供側の事故や災害によるサービス停止自体を制御することができません。また、クラウド提供側の都合により突然サービスが終了する可能性もゼロではありません。
- 情報漏洩のリスク
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多くのクラウドサービスではデータの暗号化、トラフィックの監視等様々なセキュリティ対策を行っていますが、多くのデータをクラウド上に保管し、インターネットを介してアクセスする性質上、正しくセキュリティ設定がなされていないと簡単に情報が漏洩するリスクが発生する為、注意が必要です。
前職では大手電機メーカーのグループ会社にて、主にWebアプリケーションのシステム開発業務に従事。2016年より3年間、独立行政法人
情報処理推進機構(IPA)に派遣され、標的型サイバー攻撃の被害に遭われた企業・団体に対する、インシデント初動対応の支援業務に従事する。IPAでの業務経験により、サイバーセキュリティの業界に関心を持ち、2020年4月より、株式会社SHIFT
SECURITYに入社。同社ではクラウド環境の脆弱性診断、監視業務に従事。