こちらの記事は、セキュリティ専門家の松野によるニュース解説ラジオ「今日の10分セキュリティラジオ」の放送内容を文字に起こしご紹介しています。
日本電気株式会社(NEC)は3月18日、2021年の迷惑メールについて同社セキュリティブログにて発表した。(記事はこちら)
【お届けするニュースはサイバーセキュリティ専門ニュースサイト「ScanNetSecurity」の提供でお送りしています。】個人のメールアカウントに届いた迷惑メールの調査結果について発表されています。フィッシング詐欺やマルウェアの配布にも使われている迷惑メールの傾向と対策について説明します。
今回の調査によると、迷惑メールの受信件数は毎月変化しており、2021年12月は2021年6月に比べ迷惑メールが3倍以上に増加しているということです。迷惑メールの送信時間については、朝5時頃から迷惑メールが増え始め、朝7時がピークとなっています。
受信した迷惑メールを分類したところ、第1位はAmazonを騙るメールで約40%、第2位は三井住友銀行や三井住友カードを騙るメールが約10%と、フィッシング関連のメールが続いています。フィッシング以外の迷惑メールとして、「偽ブランド系の迷惑メール」「闇バイト系の迷惑メール」「脅迫系の迷惑メール」などがありました。
また、送信元とされるメールソフトの情報を分析したところ、Microsoft Outlook Expressが48%と約半数を占めていたということです。
早朝の時間に迷惑メールの送信がピークを迎えるのは、朝一番に受信した際に一番上に表示される可能性があることと、迷惑メールとしてフィルタされる前に受信させる目的が考えられます。
皆さんがいつも使っているメールソフトで、一番上に表示されるメールは何でしょうか?おそらく、一番最後に受信した最新のメールが表示されているのではないかと思います。すでに業務が始まっていて、多くのメールに埋もれてしまうよりは、朝一番にパソコンを開いた際に、一番上に表示されるメールは見てもらいやすいのではないでしょうか。
迷惑メールをフィルタする仕組みを簡単に説明すると、メールの本文などをAIで分析する以外に、ユーザからの報告によって迷惑メールのデータベースを整備していく場合もあります。つまり、忙しい時間帯にメールを送ってしまえば、他のユーザによって迷惑メールの報告が行われ、他のユーザが受信したときにはフィルタにかかってしまう可能性があります。
これらはあくまでも一例ですが、迷惑メールの送信者は、いかにして受信者に迷惑メールを開いてもらえるか考えて、創意工夫をしていることが考えられます。
迷惑メールの対策は基本的にメールソフトやWebメールのフィルタ機能を活用することが最も有効ですが、高度なフィッシング詐欺やマルウェアのメールでは、メールの送信者に関する情報が改ざんされている可能性があることを理解する必要があります。
今回は、迷惑メールの傾向と対策や、メールのセキュリティ全般についてお届けしました。皆さんにとっても身近なコミュニケーションツールであるメールでサイバー攻撃の被害にあわないよう、参考になれば幸いです。
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