こちらの記事は、セキュリティ専門家の松野によるニュース解説ラジオ「今日の10分セキュリティラジオ」の放送内容を文字に起こしご紹介しています。
個人情報保護委員会は6月2日、生成AIサービスの利用に関する注意喚起を発表した。(記事はこちら)
【お届けするニュースはサイバーセキュリティ専門ニュースサイト「ScanNetSecurity」の提供でお送りしています。】ChatGPTを含む、生成AIの利用について注意喚起が出されています。今回は、出されている注意喚起の内容や、生成AIを使う際にセキュリティの観点で気を付けるべきポイントについて説明します。
今回の注意喚起は、生成AIサービスの普及を踏まえ、個人情報の適正な取扱いによる個人の権利利益の確保の要請と、新たな技術に基づく公共的な利益の要請とのバランスに留意しつつ、生成AIサービスの利用に関して出されています。
生成AIサービスの利用に際して、個人情報の取扱いに関する注意点を「個人情報取扱事業者」「行政機関等」「一般の利用者」ごとに取りまとめています。
■個人情報取扱事業者
特定された当該個人情報の利用目的を達成するために必要な範囲内であること
■行政機関等
必要最小限の利用又は提供であることを十分に確認すること
■一般の利用者
入力された個人情報が生成AIの機械学習に利用されるリスクを踏まえた上で適切に判断すること
を求めています。
今回の注意喚起は、生成AIの利用によって、意図せず個人情報が漏洩してしまうのを防ぐことを目的に出されたものであると考えられます。
みなさんが入力した情報に対して、AIは機械学習を行うことができます。その結果、入力した情報と、AIが既に持ち合わせている情報が統計的に紐づくことにより、みなさんに関する個人情報がAIの学習データとして蓄積される可能性があります。そして、第三者がみなさんについて問い合わせた際に、それらの情報がAIから出力されてしまう場合があります。
AIが人間の作業効率を高めてくれることで、より社会を豊かにしてくれるであろう一方で、今回説明した通り、セキュリティに限らず様々な課題が存在しています。それらの課題を使う側の人間が十分に把握した上で、AIを最良のアシスタントとして適切に導き、上手に付き合ってください。
今日の10分セキュリティラジオにて毎週月・水・金にセキュリティの最新ニュースを取り上げ解説を行っています。隙間の時間の情報収集にぜひお役立てください!
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