こちらの記事は、セキュリティ専門家の松野によるニュース解説ラジオ「今日の10分セキュリティラジオ」の放送内容を文字に起こしご紹介しています。
一般社団法人セキュリティ・キャンプ協議会は6月21日、セキュリティ・キャンプ協議会と一般社団法人宮崎県情報産業協会、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が主催する「セキュリティ・ミニキャンプ in 宮崎2023」の専門講座の参加者の募集を発表した。(記事はこちら)
【お届けするニュースはサイバーセキュリティ専門ニュースサイト「ScanNetSecurity」の提供でお送りしています。】宮崎でセキュリティのイベントが開催されるということです。セキュリティの人材不足が叫ばれている現状や、セキュリティのイベントが果たす役割について説明します。
今回のイベントは、全国における情報セキュリティ人材の早期発掘と育成を目的に、全国各地で専門講義を実施しており、今回は宮崎県で25歳以下の学生を対象に実施するものです。内容として、「SNS等インターネット犯罪の現状と適正な利用について」「FAT32を用いたファイルシステムの理解」など、セキュリティ専門家による講座が開かれるということです。
セキュリティの人材は増加傾向にあるものの、引き続き、不足している状況のようです。セキュリティの人材不足について、過去に発表されている調査結果を引用して説明します。
世界最大のサイバーセキュリティ専門家資格の非営利団体である(ISC)²が実施したグローバルサイバーセキュリティ人材調査の2022年版によると、サイバーセキュリティ専門家の人材不足が一層深刻化していることが明らかになっています。
世界のサイバーセキュリティ人材は、過去最高水準となるおよそ470万人に上ることが明らかになっており、最もサイバーセキュリティ人材が多い国は米国で前年比5.5%増の約120万人に上り、日本においても前年比40.4%増の約39万人と、サイバーセキュリティ人材数は大きく増加しています。
一方で、サイバーセキュリティ専門家が昨年と比較して約46万4千人増加したにもかかわらず、資産を効率的に保護するためには、さらに約340万人のサイバーセキュリティ人材が必要なことが調査データから判明しています。なお、日本で不足しているサイバーセキュリティ人材数は、およそ前年比37.9%増の5万6千人となっています。
セキュリティのイベントを開くことによって認知度が上がり、少なからずセキュリティの人材不足を解消することに繋がることが考えられます。ただし、民間企業が連携して雇用を積極的に生んでいくことが合わせて必要です。
もしセキュリティに興味を持ってくれたとしても、我々のようなセキュリティ専門企業が受け皿として雇用を積極的に生まない限り、セキュリティをただ知っている状態にしかならないことになり、人材不足の解消には至らないことになります。
セキュリティのイベントにより、特に若い方がセキュリティに興味を持っていただくことはありがたく、とても重要な取り組みであると考えます。しかし、民間企業が連携して雇用を積極的に生まないと、セキュリティの人材不足が解消されることはありません。ホワイトハッカーなど一握りの優秀なエンジニアだけが働ける環境や、教育だけに頼っている状況では不十分であると我々が訴え続けている理由の一つでもあります。
今回は、セキュリティの人材不足が叫ばれている現状や、セキュリティのイベントが果たす役割についてお届けしました。
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