こちらの記事は、セキュリティ専門家の松野によるニュース解説ラジオ「今日の10分セキュリティラジオ」の放送内容を文字に起こしご紹介しています。
東京都は8月7日、サイバーセキュリティ対策の支援対象企業の募集について発表した。(記事はこちら)
【お届けするニュースはサイバーセキュリティ専門ニュースサイト「ScanNetSecurity」の提供でお送りしています。】東京都が中小企業向けに行っているセキュリティ対策の支援について発表されています。中小企業向けに必要なセキュリティ対策と、その課題について説明します。
本事業は、セキュリティ機器の導入に向けて無償で3ヵ月間体験できる機会の提供や、サイバーセキュリティに関する基本方針や社内規程の策定等のサポートを行うものです。対象となるのは、東京都内に主たる事業所を有し、サイバーセキュリティ対策への意欲を持つ中小企業です。主な支援内容は、UTMの設置によるサイバー攻撃状況の把握と分析、その期間中にインシデントサポートセンターのオンサイトサポート、社内規定整備支援の実施を含む情報セキュリティマネジメント指導が提供されます。また、自社のセキュリティ実態を調査し、専門家から必要な対策を指導・助言するセキュリティリスクアセスメント支援も実施されるということです。
すべての企業がセキュリティ対策に取り組めることでセキュリティの格差が埋まり、サプライチェーンリスクが緩和されることが期待されます。
セキュリティ対策は直接利益を生む取り組みにはならないため、多くの企業でコストとみなされがちです。販管費が限られている中小企業において、セキュリティ対策が優先的にコスト削減の対象になることも少なくありません。言葉を変えれば、お金がなくてセキュリティ対策ができない企業が存在していることになります。
よって、東京都の支援や、我々のS4のように、無償で使えるセキュリティサービスがあることで、セキュリティ予算が限られる中小企業においても、セキュリティ対策へ取り組める機会が公平に提供されることになり、セキュリティの格差が埋まることが期待できます。
無償であったとしても、すべての企業がセキュリティ対策に取り組むわけではないことが、今後の課題として考えられます。
我々の提供する無償で使えるセキュリティサービスS4も、おかげさまでたくさんの方にお申込みいただきました。東京都の支援と同様に、セキュリティの格差が埋まることで、サプライチェーンリスクが解消されることを期待していましたが、残念ながら、S4を申し込んだだけで、その後、まったく使わない方も一定数現れる結果となりました。我々の力が及ばず申し訳ない気持ちでいっぱいですが、現時点では無償であったとしても、セキュリティ対策がいきわたるとは言い切れない状況です。
今日の10分セキュリティラジオにて毎週月・水・金にセキュリティの最新ニュースを取り上げ解説を行っています。隙間の時間の情報収集にぜひお役立てください!
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