こちらの記事は、セキュリティ専門家の松野によるニュース解説ラジオ「今日の10分セキュリティラジオ」の放送内容を文字に起こしご紹介しています。
東京都公立大学法人東京都立大学は8月28日、個人情報を含むノートパソコンの盗難について発表した。(記事はこちら)
【お届けするニュースはサイバーセキュリティ専門ニュースサイト「ScanNetSecurity」の提供でお送りしています。】海外で個人情報が保存されていたノートパソコンが盗難されてしまったということです。海外出張中にセキュリティで気を付けるべきポイントや、パソコンの盗難に備えたセキュリティ対策について説明します。
今回のインシデントは、海外出張中に電車移動している際に個人所有であるノートパソコン1台が入ったカバンが盗難被害にあったというものです。なお、ノートパソコンにはパスワードが設定されていたということです。
対策として、該当する関係者に対して、本件に関する説明と謝罪を行うとともに、実際に第三者への流出などの事実が確認された場合は、速やかに事実関係を周知すると発表しています。再発防止策として、本学教職員に対する個人情報管理、情報機器等の保管及び管理の徹底を周知するとともに、より個人情報管理が徹底されるよう、全学的な検討を行い、対策を行うということです。
海外出張中にセキュリティで気を付けるべきポイントとして、ノートパソコンやスマートフォンを目の届く範囲に保管することや、ストラップやチェーンの利用を検討してください。また、提供元が不明なフリーWifiを利用する際は、十分に気を付けましょう。
例えば、みなさんがオフィスで働いていて、勤務中にトイレへ行く際に、パソコンが盗難されることについて、そこまで気にかけていないかもしれません。それは、オフィスが指紋認証や監視カメラなどで物理的に保護されていることや、日本が安全な国という前提がありますので、スクリーンロックをかける程度で十分と思われているかもしれません。
海外出張中では、その前提が崩れる可能性があることに、気を付ける必要があります。具体的には、ノートパソコンやスマートフォンは常に目の届く範囲に置いておくことが必要です。手持ちのカバンにセキュリティワイヤーで固定したり、スマートフォンにストラップを付けるなどして、パソコンやスマートフォンが目の届く範囲から外れないようにしましょう。
また、海外ではフリーWifiのアクセスポイントも数多く見られますが、すべてが安全であるとは限りません。攻撃者が盗聴などを目的に仕掛けたアクセスポイントも存在するため、提供元が不明なフリーWifiを利用する際は、十分に気を付けるようにしましょう。
パソコンの盗難に備えたセキュリティ対策として、リモートワイプができるようにあらかじめ設定しておくことが必要です。また、盗難されたパソコンに保存されているパスワードは、直ちに変更するようにしましょう。
ノートパソコンやスマートフォンが盗難されてしまったり、紛失してしまったりした際に備えて、あらかじめリモートワイプができるように設定しておくことが必要です。リモートワイプとは、盗難や紛失などの事故が発生した際に、遠隔操作で端末内のデータを消去できる機能です。最新のOSにはデバイスを検索する機能が提供されている場合があり、事前に必要な設定を行うことで、端末内のデータを遠隔から消去して、情報漏洩を防ぐことができます。
また、盗難された端末にパスワードが保存されている場合は、直ちに変更してください。端末のログインするためのパスワードだけでなく、端末からアクセスしていたクラウドサービスも含めて、悪用されることを防ぐために、速やかに対応することが求められます。その後、アクティビティの履歴を確認するなどして、不正に利用されていないかも含めて確認するようにしましょう。
今日の10分セキュリティラジオにて毎週月・水・金にセキュリティの最新ニュースを取り上げ解説を行っています。隙間の時間の情報収集にぜひお役立てください!
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