こちらの記事は、セキュリティ専門家の松野によるニュース解説ラジオ「今日の10分セキュリティラジオ」の放送内容を文字に起こしご紹介しています。
fjコンサルティング株式会社は10月12日、かっこ株式会社と共同でとりまとめている「キャッシュレスセキュリティレポート(2023年4-6月版)」を発表した。(記事はこちら)
【お届けするニュースはサイバーセキュリティ専門ニュースサイト「ScanNetSecurity」の提供でお送りしています。】クレジットカードやECサイトの不正利用についてまとめられており、いずれも増加傾向にあるようです。キャッシュレス決済を利用するにあたって、セキュリティの観点で気を付けるべきポイントについて説明します。
今回のレポートは、クレジットカード情報流出事件とECに関する不正利用傾向の統計データに加え、直近のトレンドに関する解説をしたものです。
2023年4月から6月に発生した不正利用被害額は141.0億円で、前年同期比で32.8%増加しています。そのうち番号盗用による被害額は132.4億円で、不正利用被害全体の9割以上を占めています。2023年の転売不正注文は、1月から3月が3.8%、4月から6月が5.7%と、ともに前年比2倍以上の発生率で増加傾向が続いています。特に初回限定品を狙った転売不正が継続的に発生しているということです。
ECサイトからのカード情報流出事件が減少する一方で、銀行の不正送金被害が過去最高になっているようです。
2023年4月から6月は、前四半期、対前年四半期と比較し、ECサイトからのカード情報流出事件は4件、カード情報流出件数も1万件余りと大幅に減少したようです。対して、2023年2月以降、インターネットバンキングによる預金の不正送金被害が急増しており、2023年上半期の被害件数は過去最多の2,322件、被害金額は約30億円にのぼったということです。
原因として銀行を騙ったメールやショートメッセージで「取引が一時的に停止されている」などの消費者の不安を煽るメッセージが送信され、記載されたURLからフィッシングサイトに誘導し、ログイン情報を窃取する手口があげられています。スマートフォンが普及する中で、ショートメッセージからWebサイトへのアクセスが比較的容易になったことから、その被害が増加していることが考えられます。
フィッシング詐欺に対する基本的な対策を徹底してください。クレジットカードだけでなく、ICカードやコード決済など、キャッシュレス決済が多様化していますが、攻撃者が狙っているのは引き続き、人の弱さです。手口としてのフィッシング詐欺の被害にあわないよう、SMSやメールの本文に書かれたURLから、安易にログイン情報やクレジットカード番号を入力しないなど、基本的な対策を徹底しましょう。キャッシュレス決済が便利であることは間違いありませんので、安全に安心して使っていただけるよう、利用者としてのセキュリティ対策も、忘れずに行ってください。
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