こちらの記事は、セキュリティ専門家の松野によるニュース解説ラジオ「今日の10分セキュリティラジオ」の放送内容を文字に起こしご紹介しています。
トビラシステムズ株式会社は10月26日、同社の「迷惑情報データベース」をもとにした、特殊詐欺に関する独自調査レポートを公開した。(記事はこちら)
【お届けするニュースはサイバーセキュリティ専門ニュースサイト「ScanNetSecurity」の提供でお送りしています。】サポート詐欺を含む特殊詐欺に使われる電話番号の傾向について発表されています。不明な番号からかかってくる電話の対応や、サポート詐欺の概要について説明します。
今回のレポートは、特殊詐欺に利用される電話番号の傾向について調査したものです。同調査によると、2022年6月頃に多く見られた固定電話番号の利用が2022年末にかけて減少した一方で、050から始まるIP電話番号の利用が2022年末にかけて増加し、2023年上半期も高い水準で推移していたということです。
しかし、2023年6月以降は国際電話番号を利用した特殊詐欺が急増し、8月以降に確認された迷惑電話番号のうち国際電話番号が3割以上を占めています。昨今被害が増加している「サポート詐欺」についても、偽のサポート番号に日本から国際電話をかける際に利用する「010」で始まる電話番号が使われており、フリーダイヤルに見えるようカモフラージュされている場合もあり、被害者が国際電話と気づかずに電話をかけてしまう可能性もあるということです。
不明な番号からかかってきた電話の対策として、いったん応答はせず、その番号をインターネットで検索してから、必要に応じて折り返し電話をかけなおすことが有効になる場合があります。
電話番号をインターネットで検索すると、公式のホームページや電話番号データベースのWebサイトが検索結果に表示される場合があります。公式のホームページに掲載されている電話番号であれば、不審な点はないと判断し、必要に応じて折り返し電話をかけて要件を確認することができます。
電話番号データベースのWebサイトに、着信した電話番号が掲載されている場合、過去にその電話へ対応した誰かが、どのような相手であったか共有してくれている場合があります。その内容を確認したうえで、特殊詐欺と考えられる場合は、着信拒否をするなどして通話しないようにすることが求められます。
電話番号をインターネットで検索しても見つからず、着信履歴を見ても心当たりのない電話番号の場合は、一切応答しないことが推奨されます。やむを得ず通話してしまった際に、詐欺や脅迫と思われる内容であった場合は、警察に通報して相談に乗ってもらうことが必要です。
サポート詐欺とは、偽の技術サポートを提供すると騙り、被害者から金銭をだまし取る特殊詐欺です。詐欺師が用意したWebサイトへアクセスした際に、被害者のパソコンに問題があると表示することで遠隔操作をさせるように求め、その後、存在しない問題を修正する名目で金銭を要求します。
例えば、架空請求の脅迫を受けたとします。全く心当たりがなければ、詐欺と気が付いて無視するなどの対応ができると思いますが、未払いがある場合など、心当たりのある内容だと、思わず電話して確認してみたくなってしまうかもしれません。
サポート詐欺でも同様に、閲覧したWebサイト上でマルウェア感染などを装い、実際にパソコンで問題が発生しているように思わせることで、被害者に電話を掛けさせることを促します。
サポート詐欺の対策として、先ほど説明した不明な電話番号の対策に加えて、警告画面と一緒に表示される番号に電話を掛けないことが求められます。マイクロソフトは、エラーメッセージと警告メッセージに電話番号が記載されることはなく、ビットコインやギフトカードの形式でサポート料金を請求することはないと説明しています。
また、コンピューターを修理するためのテクニカルサポートを提供するという名目で、メールやメッセージを一方的に送信したり、電話をすることもありませんので、その時点でサポート詐欺と気が付くことができます。
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