こちらの記事は、セキュリティ専門家の松野によるニュース解説ラジオ「今日の10分セキュリティラジオ」の放送内容を文字に起こしご紹介しています。
読売新聞東京本社は11月13日、同社が運営する「読売新聞オンライン」の偽サイトへの注意喚起を発表した。(記事はこちら)
【お届けするニュースはサイバーセキュリティ専門ニュースサイト「ScanNetSecurity」の提供でお送りしています。】インターネット広告を使った偽サイトへの誘導について、注意喚起が出されています。広告経由でフィッシング詐欺の被害にあわないよう、十分に気を付けましょう。著名人を使ったインターネット広告にだまされないための対策について説明します。
今回のインシデントは、偽サイトに誘導する広告がSNSや複数のサイトで表示されているというものです。広告では新聞社のロゴと著名人の画像が使われ、偽サイトには著名人が暗号資産取引で巨額の利益を上げたとして投資を持ちかける架空の記事が掲載され、氏名などの個人情報の入力を求める欄があるということです。
対策として、偽サイトや偽サイトに誘導するメールと関係はなく、個人情報流出や詐欺被害につながる恐れがあるため、偽サイトに誘導する広告のクリックや、メールに記載されたURLにアクセスしないよう、注意を呼びかけています。
偽サイトへ誘導する広告の対策として、SNSなどのメディア側で適切な監査をすることが原則ですが、それらが運用できていない現状では、自社に関連する広告を定期的にチェックすることが求められます。
SNSや検索エンジンに掲載される広告は、原則として掲載前に適切な内容であるかのチェックが行われています。しかし、効率化のためにAIなどで自動化が行われているため、一部の不適切な広告が掲載されてしまう結果を招いています。また、著名人を起用すること自体は不正には該当しないため、自動化されたチェックでは、極めて判断が難しくなっています。
このような状況で、偽サイトへ誘導する広告が掲載された際、直ちに検知してメディアに通知し、広告の掲載を停止するよう依頼することが求められます。SNSでは、ターゲットとなるユーザで閲覧した際の結果だったり、検索エンジンでは、特定のキーワードで検索した際の結果だったりで表示される広告を、定期的にチェックすることが求められます。
動画サイトに掲載される広告も同様に、その判断は消費者にゆだねられている状況です。仮に、インターネット広告の被害にあった場合は、最寄りの警察か消費者センターへ相談するようにしましょう。
例えば、同じセキュリティ記事を解説するのでも、特別なバックグラウンドのない人が話すより、セキュリティ業界歴の長い専門家が話す方が、内容が全く同じであっても正しく聞こえてしまうものです。これはあくまでも、何を話しているかではなく、誰が話しているかで説得力が変わってしまうことは、ある意味仕方のないことだと言えます。
インターネット広告も同様に、著名人を起用することによって、その内容に説得力を伴わせることを狙っていると考えられます。動画によって視覚情報も伴いながら、受動的なインプットによって、さらにその効果は増すことが考えられます。よって、消費者としては広告の内容に目を向けて、自らの判断基準で評価することが求められます。
万が一、インターネット広告の被害にあった場合は、最寄りの警察か消費者センターへ相談するようにしましょう。ちなみに、無断で起用されている著名人はあくまでも被害者の一人なので、本人に問い合わせたりすることは控えましょう。
今日の10分セキュリティラジオにて毎週月・水・金にセキュリティの最新ニュースを取り上げ解説を行っています。隙間の時間の情報収集にぜひお役立てください!
お見積り・ご相談など、お気軽にご相談ください
サイトTOPへ