こちらの記事は、セキュリティ専門家の松野によるニュース解説ラジオ「今日の10分セキュリティラジオ」の放送内容を文字に起こしご紹介しています。
総務省は3月1日、「無線LAN(Wi-Fi)のセキュリティに関するガイドライン」の更新を行ったと発表した。(記事はこちら)
【お届けするニュースはサイバーセキュリティ専門ニュースサイト「ScanNetSecurity」の提供でお送りしています。】無線LANのセキュリティについて、ガイドラインが更新されています。今回は、セキュリティで無線LANと有線LANの違いや、Wi-Fiを利用する際にセキュリティの観点で気を付けるべきポイントについて説明します。
今回更新されたガイドラインでは、自宅Wi-Fi利用者用と公衆Wi-Fi利用者用に分冊されています。ガイドラインの目的として、安全な自宅Wi-Fiと公衆Wi-Fiの利用のために必要なセキュリティ対策への理解を深めることが挙げられます。自宅Wi-Fi利用者向け 簡易マニュアルでは、セキュリティ対策のポイントとして「セキュリティ方式」「パスワード」「ファームウェア」の3点を挙げ、公衆Wi-Fi利用者向け 簡易マニュアルでは、「接続するアクセスポイント」「正しいURLでHTTPS通信しているか」を確認するよう、解説を行っています。
無線LANと有線LANでは、主に通信の盗聴を防ぐ場合のセキュリティ対策が異なります。
物理的にLANケーブルを勝手に抜き差しできないようにしたり、パソコンをネットワークにつなぐためのハブやスイッチを制限したりすることにより、通信の盗聴を防ぎます。
アクセスポイントから常に電波が出ているため、物理的な対策をすることは困難です。その代わりに、無線LANのアクセスポイントへ接続するためのSSIDを非公開にすることで、通信が盗聴されるリスクを緩和することができます。ただし、SSIDを非公開にしただけでは完全なセキュリティ対策になるわけではありませんので、WPA2やWPA3で第三者が推測できないパスワードを求めるなど、他のセキュリティ対策と併用することで、より安全に無線LANを利用することができます。
逆に、共通するセキュリティ対策としては、通信を暗号化することで盗聴を防ぐことが可能です。
今回の更新では、自宅Wi-Fiと公衆Wi-Fの簡易マニュアルが、それぞれの利用者向けに分冊されているようです。自宅Wi-Fiでは、セキュリティ方式 は「WPA2またはWPA3」を選択するよう推奨しています。また、パスワードは第三者に推測されにくいものにすることや、アクセスポイントのファームウェアを最新の状態にすることなどが挙げられています。
公衆Wi-Fiでは、接続するアクセスポイントをよく確認することや、正しいURLでHTTPS通信しているか確認することを推奨しています。また、公衆Wi-Fi提供者向け セキュリティ対策の手引きも別途公開されています。
Wi-Fiは常に盗聴のリスクがあることに注意してください。自宅のWi-Fiの場合、アクセスポイントに第三者が接続できてしまうと、自宅からの通信が盗聴されてしまう可能性があります。また、公衆Wi-Fiでは、悪意を持った攻撃者も同じアクセスポイントに接続している可能性もあるので、公衆Wi-Fiを利用する際は、個人情報の入力は極力控えるようにしましょう。特に、銀行口座やクレジットカード情報など、重要な情報を入力しないよう注意することで、盗聴された際の被害を軽減することが可能です。
今日の10分セキュリティラジオにて毎週月・水・金にセキュリティの最新ニュースを取り上げ解説を行っています。隙間の時間の情報収集にぜひお役立てください!
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