こちらの記事は、セキュリティ専門家の松野によるニュース解説ラジオ「今日の10分セキュリティラジオ」の放送内容を文字に起こしご紹介しています。
東京地下鉄株式会社(東京メトロ)は3月21日、「東京メトログループカスタマーハラスメント対応ポリシー」の制定を発表した。(記事はこちら)
【お届けするニュースはサイバーセキュリティ専門ニュースサイト「ScanNetSecurity」の提供でお送りしています。】カスタマーハラスメントの対応ポリシーについて発表されています。今回は、SNS上での誹謗中傷がハラスメントとみなされた事例や、誹謗中傷を受けた際の対策について説明します。
今回のポリシーは、カスタマーハラスメントに該当する著しい迷惑行為の発生を踏まえ、カスタマーハラスメント対応ポリシーとして発表されたものです。目的として、カスタマーハラスメントの抑制を図り、同社グループ従業員の安全な就業環境を確保するためとしています。
カスタマーハラスメントの定義として、顧客等の要求・言動のうち、要求内容の妥当性に照らして、要求を実現するための言動が社会通念上不相当なものであって、従業員の安全及び心身の健康を脅かすおそれのあるもの、または同社グループの業務を不当に妨げるものと定義しています。具体的には、暴力、暴言、威嚇、脅迫、差別的な言動、過剰または不合理に権威を振りかざした要求、長時間に及ぶ拘束、不合理な要求を繰り返す行為、SNS/インターネット上での誹謗中傷などが挙げられています。
顧客等から従業員への要求や言動がカスタマーハラスメントに該当すると判断した場合の対応として、原則として以降の顧客対応を断り、必要に応じて、警察への通報、刑事手続き、法的な措置を講じるということです。
ハラスメントとみなされるかどうかは、個々の事例によって異なりますが、SNSにおける誹謗中傷として、特定の人物に対する執拗な攻撃が確認されています。
具体的には、特定のタレントに対して、容姿や性格を否定するような書き込みを繰り返し行い、精神的な苦痛を与えた事例や、特定の政治家に対して、根拠のない犯罪歴や不倫などの噂を流し、社会的信用を毀損した事例などが挙げられます。
誹謗中傷の証拠を保存して、相談窓口へ持ち込み、法的な対応を取ることが必要です。誹謗中傷の証拠として、そのスクリーンショットやURL、書き込み日時などの加害者情報を保存しましょう。そして、収集した情報を、警察や弁護士に相談することが必要です。その後、法的な対応として、削除請求や損害賠償請求が挙げられますが、必要に応じて発信者情報開示請求を検討しましょう。
インターネット上の投稿によって権利が侵害された場合、自己の権利を侵害された被害者またはその代理人は、SNSや掲示板サイトの運営者に対して、発信者情報開示請求を行うことができる場合があります。開示される情報には、発信者の氏名、住所、メールアドレス、IPアドレス、発信時間などが含まれます。
SNSにおける誹謗中傷は、決して許される行為ではありません。その言葉によって相手が傷ついているのであれば、暴力と変わらないことを認識しましょう。もし、被害者になってしまったら、一人で悩まず、周囲に相談したり、専門家に助けを求めたりすることが大切です。
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