こちらの記事は、セキュリティ専門家の松野によるニュース解説ラジオ「今日の10分セキュリティラジオ」の放送内容を文字に起こしご紹介しています。
有限会社東原商店は7月16日、同社が運営する「オリーブ牛の肉のヒガシハラ」への不正アクセスによる個人情報の漏えいについて発表した。(記事はこちら)
【お届けするニュースはサイバーセキュリティ専門ニュースサイト「ScanNetSecurity」の提供でお送りしています。】オンラインショップのペイメントアプリケーションが改ざんされ、顧客のクレジットカード情報が漏洩してしまったということです。今回は、ペイメントアプリケーションの改ざんに気が付く方法と、クレジットカードの不正利用について、利用者側でできる対策について説明します。
今回のインシデントは、顧客のカード情報と個人情報が漏洩し、カード情報が不正利用された可能性を調査結果で確認したというものです。原因として、一部のクレジットカード会社から当該オンラインショップを利用した顧客のカード情報の漏えい懸念について連絡があり、同日内にカード決済を停止し、第三者調査機関による調査を開始したところ、当該サイトのシステムの一部の脆弱性をついたことによる第三者の不正アクセスでペイメントアプリケーションの改ざんが行われたことが挙げられています。
対策として、対象の顧客に別途、メールまたは書状にて個別に連絡を行っています。また、監督官庁である個人情報保護委員会への報告と所轄警察署への被害申告を行っています。既に、カード会社と連携し漏えいした可能性のあるカードの取引のモニタリングを継続して実施していますが、顧客に対しても、カード利用明細に身に覚えのない項目があった場合はカード会社に問い合わせるよう呼びかけています。再発防止策として、調査結果を踏まえてシステムのセキュリティ対策と監視体制の強化を行うということです。
オンラインショップのペイメントアプリケーションが改ざんされた場合、運営者側と利用者側の両方で、気が付くことができる可能性があります。
運用者側の場合、ファイルの整合性チェックによって、改ざんを検知できる場合があります。定期的にペイメントアプリケーションのファイルのハッシュ値を保存し、変化がないか比較します。もし、ハッシュ値が変化していれば、ファイルが改ざんされた可能性がありますので、管理者へアラートを通知することで、運営者側で気が付くことができる場合があります。
利用者側の場合、いつもと違う決済画面で、改ざんを検知できる場合があります。オンラインショップで決済をする際に、いつもと違った入力画面になっており、通常では必要性のないタイミングでクレジットカード情報やパスワードの入力を求めらている場合、ペイメントアプリケーションが改ざんされている可能性がありますので、利用者側で気が付くことができる場合があります。
ただし、決済画面の見た目に変更なくペイメントアプリケーションが改ざんされる場合もありますので、運営者側での検知が基本となります。
クレジットカードの不正利用に気が付く方法として、カードの利用明細を定期的に確認する方法が挙げられます。
まず、利用明細が発行されたら、ご自身が行っていないはずの取引が記載されていないか、一つ一つ丁寧に確認しましょう。店名、金額、取引日時など、すべての情報を確認することが必要です。その際に、身に覚えのない店名や、行ったことのない場所での取引がないか確認することが必要です。もし、海外旅行に行っていないのに、海外での取引が記載されていたり、通常の利用額と比べて、異常に高額な取引が見つけられたら、不正利用の可能性がありますので、カード会社へ連絡して、今後の対応について相談するようにしましょう。
今日の10分セキュリティラジオにて毎週月・水・金にセキュリティの最新ニュースを取り上げ解説を行っています。隙間の時間の情報収集にぜひお役立てください!
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