こちらの記事は、セキュリティ専門家の松野によるニュース解説ラジオ「今日の10分セキュリティラジオ」の放送内容を文字に起こしご紹介しています。
東京大学全学連携研究機構 情報セキュリティ教育研究センターは2月15日、学部横断型教育プログラム「サイバーセキュリティ教育プログラム」設立を発表した。(記事はこちら)
【お届けするニュースはサイバーセキュリティ専門ニュースサイト「ScanNetSecurity」の提供でお送りしています。】東京大学で、セキュリティに関連する教育プログラムが開始されるということです。日本国内で慢性化しつつあるセキュリティの人材不足とその解消方法について説明します。
同大学で行われている横断型プログラムは、定められたテーマに沿って、複数の教育部局において開設している講義・演習等をひとまとまりとして履修するものです。
今回のセキュリティ教育プログラムは、サイバーセキュリティに関する基礎的な知識を体系的に学習できるよう構成されたプログラムで、技術のみならずサイバーセキュリティと社会の関わりについて学習することで、文理問わずに各分野で必要とされる情報セキュリティの基礎知識と基本技術を持った人材の育成を目指しているということです。
セキュリティ人材の分母となるITエンジニアも、不足している状態が継続しているようです。人材に関する各調査を見ながら、エンジニア不足の現状について説明します。
IPAが公表したIT人材需給に関する調査で、IT人材需給に関する試算結果として、2030年には最大79万人が不足すると言われています。同じくIPAが公表したDX白書2021の調査で、デジタル事業に対応する人材の「量」の確保状況について、セキュリティ人材を含むエンジニアやプログラマーが大幅に不足していると回答した企業は18.4%で、やや不足していると回答した企業の29.1%と合わせると、約半数の企業でIT人材が不足していると回答しています。
また、デジタル事業に対応する人材の「質」の確保状況について、大幅に不足していると回答した企業は27.4%で、やや不足していると回答した企業の39.4%と合わせると、約3分の2の企業が質的にも足りていないと回答しています。
以上から、日本国内のセキュリティ人材は量的にも質的にも足りていない状況が継続していることが考えられます。そのような状況を鑑みて、複数の組織からセキュリティを含めたIT人材を育成するために、様々な教育プログラムが提供されています。
セキュリティの人材不足を根本から解消するためには、セキュリティに携わるための敷居を下げる必要があります。そのためには、教育だけに依存しないセキュリティの標準化や仕組化が必要です。
セキュリティの社会的課題は人材不足の問題だけではありませんが、今回は、セキュリティの人材不足とセキュリティ教育についてピックアップしてお届けしました。
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