こちらの記事は、セキュリティ専門家の松野によるニュース解説ラジオ「今日の10分セキュリティラジオ」の放送内容を文字に起こしご紹介しています。
株式会社エルテスは12月21日、2022年の炎上トレンドと2023年の炎上予測を「ネット炎上レポート2022総集編」として発表した。(記事はこちら)
【お届けするニュースはサイバーセキュリティ専門ニュースサイト「ScanNetSecurity」の提供でお送りしています。】いわゆる、ネット炎上について2022年の傾向と2023年の予測が発表されています。セキュリティの観点から、ネット炎上にならないために気を付けるべきポイントと、セキュリティの社会課題について説明します。
「ネット炎上」とは、オフライン・オンラインでの行動や発言に対しネット上で批判が殺到し、拡散している状態を指し、対象に対する批判の投稿量が通常時と比較して有意に多いことを条件として定義しています。
2022年の炎上トレンドとして、「コンプライアンス違反がデジタル空間で拡散し、批判殺到」「Webサイトの情報のサイレント削除や修正による炎上」の2つの要素が挙げられています。また、2023年の炎上について、イーロン・マスク氏によって買収されたTwitter社の動向に注目し、Twitterの今後の動きは炎上トレンドに大きな影響を与えうると予測しています。
セキュリティの観点からSNSの利用で気を付けるべきポイントとして、共有アカウントにおけるパスワード変更のタイミングが挙げられます。
例えば、AさんがBさんとオフィスのセキュリティに設定された暗証番号を共有していたとします。どちらが最初に出社してもオフィスへ入ることができますが、仮にBさんが退職された後も同じ暗証番号を使っていると、関係のない人間がオフィスに入っていることがあるかもしれません。
会社でSNSを公式アカウントとして利用する場合、1組織1アカウントの制約があり、やむを得ず共有アカウントとして複数人が共有して使うことが考えられます。複数人でパスワードを共有することになりますので、パスワード変更のタイミングには注意が必要です。
具体的には、共有アカウントを利用する人が変わった際は、速やかにパスワードを変更することが求められます。例えば、共有アカウントを使っている人が退職した際にパスワードを変更していないと、外部の人にSNSのアカウントを操作されてしまう可能性があります。
セキュリティの観点からESGの重要性について説明します。
ESGとは、Environment、Social、Governanceの頭文字を取って作られた言葉です。より豊かな社会を実現するために、環境及び社会への配慮や、企業統治の向上等の情報を加味した、投資活動や経営・事業活動を指します。
今回の記事では「投資家を中心にESG活動に力を入れる企業を応援していくという流れが生まれている」と発表されています。ESG活動に力を入れる企業とは、コーポレートガバナンスはもちろんのこと、環境問題や社会課題に向き合う企業と定義することができます。環境問題であれば地球温暖化や水質汚染、社会課題であれば人権問題やLGBTQなど、様々存在しています。それらを社会全体で解決すべき課題として、投資家と経営者が共に向き合っている状況であると言うことができます。
セキュリティの観点でも「サプライチェーンリスク」という社会課題が存在し続けています。お金がないとセキュリティ対策ができない世の中から、セキュリティの格差が生まれました。ESGの考え方で言えば、セキュリティも社会全体で解決すべき課題ととらえるべきですが、残念ながらそのような状況にはありません。とは言え、ただ現状を嘆くのではなく、無償のセキュリティサービスS4などの活動を通じて、誰の手にもセキュリティがいきわたる社会の実現を目指して、孤軍奮闘しているところです。
今回は、セキュリティの観点から、ネット炎上にならないための気を付けるべきポイントと、セキュリティの社会課題についてお届けしました。
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