こちらの記事は、セキュリティ専門家の松野によるニュース解説ラジオ「今日の10分セキュリティラジオ」の放送内容を文字に起こしご紹介しています。
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)は7月31日、サポート詐欺レポートを公開した。(記事はこちら)
【お届けするニュースはサイバーセキュリティ専門ニュースサイト「ScanNetSecurity」の提供でお送りしています。】サポート詐欺の相談内容などをまとめたレポートが公開されています。チャットを使ったサポート詐欺の対策と、サポート詐欺で国際電話が使われる理由について説明します。
今回のレポートは、情報セキュリティ安心相談窓口に寄せられたサポート詐欺の相談内容や、IPA独自の調査・検証等で把握した内容をまとめたものです。結果として、サポート詐欺の相談件数は、2023年度は4,521件と年度最高を更新、2024年4月は828件と月間最高を記録しています。
2023年に見られた変化として、ダイアログに電話番号を入力させ送信させる手口や、チャット画面が表示される手口を紹介しています。また、サポート詐欺でこれまでに確認されている電話番号は、2023年からは050のIP電話だった番号が010の国際通話に変化しており、現在は010がほとんどを占めています。なお、080で始まる国内携帯電話も2024年4月22日に確認されています。
チャットを使ったサポート詐欺の対策として、慌てず落ち着いて、ブラウザを閉じたり、再起動したりすることが必要です。
サポート詐欺では、「今すぐ対応しないとパソコンが壊れる」などと焦らせるような言葉が使われたり、専門用語を並べて、あたかも本当のことを言っているように見せかけたりするなどして、金銭を要求したり、個人情報を入力させようとしたりします。さらに、電話で話すよりも、チャットの文字の方が、言語の問題が露呈する可能性が低いため、より被害にあいやすい可能性があります。今回のレポートでも、チャットの手口では、有人対応のアダムと名乗るチャットオペレータが正確な日本語で、放置していてもしつこく語りかけてきて、電話番号を聞きたがるなどの特徴があったと発表されています。
チャットを使ったサポート詐欺の対策として、怪しいと感じたら、直ちにブラウザを閉じることが挙げられます。もし操作ができない状態になっている場合は、パソコンを再起動してみるのも一つの対策となりますが、まずは冷静になった上で、相手の指示には従わないようにしましょう。
サポート詐欺に国際電話が利用される理由として、犯人特定が困難であることや、本人確認不要で電話番号が取得できる場合があることが挙げられます。
国際電話は、発信元の特定が国内の電話に比べて難しい場合があり、犯人の追跡が困難になる場合があります。特に、インターネット回線を利用した電話サービスは、比較的安価に利用できる場合があり、番号の取得も容易なことから、悪用されるケースが増えてきました。
かつては、サポート詐欺でも使われていた050番号ですが、特殊詐欺対策として2024年4月1日から本人確認が義務化されました。そのような状況を鑑みてか、サポート詐欺で使われる番号が、引き続き、本人確認が不要なこともある国際電話へ変化してきていることが考えられます。
今日の10分セキュリティラジオにて毎週月・水・金にセキュリティの最新ニュースを取り上げ解説を行っています。隙間の時間の情報収集にぜひお役立てください!
お見積り・ご相談など、お気軽にご相談ください
サイトTOPへ