こちらの記事は、セキュリティ専門家の松野によるニュース解説ラジオ「今日の10分セキュリティラジオ」の放送内容を文字に起こしご紹介しています。
株式会社 日本HPは12月20日、HPセキュリティエキスパート及びアドバイザーによる「2022年に注目すべきサイバーセキュリティの予測」を発表した。(記事はこちら)
【お届けするニュースはサイバーセキュリティ専門ニュースサイト「ScanNetSecurity」の提供でお送りしています。】2022年に注目すべき4つの重要なトレンドについて発表されています。来年のサイバーセキュリティがどのように予測されているか、内容について見ていきましょう。
注目すべき重要なトレンドとして挙げられているのは「ソフトウェアサプライチェーン攻撃の商品化が進み、より多くの著名人が標的に」「ユーザーを脅かすランサムウェアギャングが攻撃を繰り返す」「ファームウェア攻撃の武器化により参入が容易に」「ハイブリッドな働き方とスポーツイベントによりユーザー攻撃の機会が増加」の4つです。
今回のレポートによると2022年は、繰り返されるランサムウェア攻撃やサプライチェーンを攻撃する戦術、技術、手順の商品化の増加、武器化したファームウェアエクスプロイト、ハイブリッドワーカーへの標的型攻撃など、脅威のランドスケープが憂慮すべきペースで進化すると予想されています。少しわかりにくい表現なので簡単に意訳すると、サイバー攻撃自体の商品化が進み、リモートワークを選択できる従業員への標的型攻撃など、セキュリティの脅威がハイペースで変化するであろうと予測されています。
ファームウェア攻撃の武器化について説明します。結論から言うと「ファームウェアへの攻撃が一般的なサイバー攻撃と同様に発生する」という意味です。
今回のレポートによると「国家が開発したファームウェア攻撃がサイバー犯罪組織に普及し始めたことが、サイバー犯罪組織が脅威を高度に武器化することにつながる」と指摘しています。かつて、国家や組織間の戦争は紀元前から今現在まで、戦闘機やミサイルによって行われてきましたが、サイバー攻撃自体がその代替にもにもなりうるという意図で「武器化」という言葉があえて使われていると考えられます。
続いて、ファームウェア攻撃に目を移してみると「ファームウェアは、長期的な持続性や破壊的な攻撃を仕掛けようとする攻撃者に好機をもたらす」とレポートで述べられています。どういうことかというと、OSやソフトウェアと比較して、設定が変更される機会が少なく、一度攻撃に成功すればその状態を維持することが比較的容易であることを意味しています。これは、脆弱性が見つかった際に提供されるセキュリティの修正プログラムが適用されない現状も表しており、今回のレポートでも「組織はファームウェアのセキュリティを軽視していることが多く、パッチの適用レベルもかなり低い状況」と指摘しています。
個人的に注目するサイバーセキュリティのトレンドは「ユーザーを脅かすランサムウェアギャングが攻撃を繰り返す」です。
今年はランサムウェアの被害について、このブログでも触れさせていただきました。皆さんもランサムウェアについて、身近に感じられるようになったのではないでしょうか。そのランサムウェアによる攻撃が何度も繰り返されることについて述べられています。
少し暗い話になってしまいましたが、ランサムウェアの基本的な対策については大きな変化がありません。もしお時間があれば、過去の記事を振り返ってみてはいかがでしょうか?
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